産婦人科でも使われる電子カルテ
病気の治療というのは全てが繊細なものです。
やはり人間は生き物である以上、全てが理論通りに行かないのが常識です。
同じ人でも体調の変化などが起これば病状にも同じく変動が起こりますし、過去の病歴の有無などによって手術の成功率や薬剤を投与した後の変化にも大きな違いが出るということになります。
電子カルテの利用においては、そうした患者のデータを細かく入力することにより、より安全に今後の治療を続けるための計画がシミュレートできます。
そして経過を見ながら新たにデータを打ち込んでいくことで、柔軟にシミュレート結果が修正され、無理のない治療計画を組み立てることができます。
こうした繊細さを要求される分野として、産婦人科の存在も忘れてはなりません。
妊婦が無事に出産できるようにするためには、デリケートな母体をしっかりと守り、少しでも危険があればすぐにでもサポートできるように体制を整えておく必要があります。
電子カルテではそういった産婦人科での経緯も取り扱うことになります。
胎児の状態がどのように変化していったか、母体の健康状態に問題はないかなど、妊娠期間中に不測の事態が起こらないか、データをもとにして出産までの経過をシミュレートしていきます。
そうして体調不良などが見えるようなら原因が何かを割り出し、早い段階で入院すべきかどうかなど、事前にできる手を検討することが可能になります。
流産や産褥による死などを回避するために、現代ではこうした電子データが活用されているようになっているのです。